2023年3月 アジア古紙市況

  ■ 2023年3月 アジア古紙市況

2023年3月30

3月のアジアの古紙需要は弱く、相場は緩やかな軟調傾向が続いている。 しかし古紙発生も思いのほか悪く、安すぎる価格では成約しづらい為ドル価ベースのJOCC価格は昨月末と大きな変化はない状況だ。 月中の円建て相場は為替相場が138円から130円前後まで中7円以上変動した為、若干相場の上がり下がりはあった。 需要は悪いが、価格相場の行方は方向性の読みづらい状況が続いている。 古紙需要が回復しない背景には、アジア全体の段原紙需要が弱い事が背景にあるが、特に中国向け3月生産分発注は殆ど入っていないとの事だ。 ゼロコロナ政策が解除された中国では、多くの人が旅行に出かけ外食産業は賑わったが、物価高から買い物は控える傾向にあり消費動向は悪い。 

欧米でも同様で、小売業界は過剰な在庫を調整すべく中国への発注を絞っており、中国の輸出産業は低調な状況が続いている事も影響している様だ。 同様の背景から、東南アジアの再生パルプ業者も中国向け出荷が鈍化し資金繰りに影響がでており、AOCCの購買を控える動きも見られる。 3月22日から年4月20日まではラマダンとなるため、インドネシアからの引き合いも弱い。  一方欧州では景気低迷と4月に大型連休(キリスト復活祭)を控える関係でさらなる発生減が予想される事や、米国では地元製紙企業が古紙の発注量を増やしてきた事で、需給はバランスする形となっている。 月初めの古紙価格はジリジリと値を崩し、JOCC価格も一時ベトナム向けで150㌦以下のカウンターもあったが、現在はCIF TAIWAN $145~150(CY18.5~19.2/kg)CIF VIETNAM $155-160(CY18.5~19.0/kg) と5~10㌦前後の値動き幅で推移する状況が続いている。 

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