■ 中国古紙輸入禁止を睨み原紙需要拡大。価格上昇
2020年10月23日
アジアにおいて段ボール原紙の市況価格が上昇傾向となっている。来年古紙不足が懸念される中国に於いて、現地段ボールメーカーが海外の製紙メーカーにオファーを出している。新規の原紙供給元開拓と今の内から口座を作ろうとする動きもある様だ。9月より台湾正隆社の工場にも引き合いが増えフル稼働となっており、ベトナムの工場にも引き合いが来ている様だ。
日本の段原紙統計でも9月の輸出量は10万㌧を超えており、その引き合いが日本にも来ている事が数字として表れている。中国国内の原紙価格は国慶節前の在庫処分セールで一時軟化したが、連休明けに再度強含んだ。徐々に値崩れする古紙価格と反し原紙価格は徐々に値上がりを始めており、新型肺炎が収束し稼働を始めた中国と11月11日独身の日等秋需をめがけた需要の強まりが、来年の供給不安と相まってアジア価格を押し上げている。
7月頃の東南アジアの段原紙相場は国によってばらつきがあるものの、工場出荷ベースで中芯270-330㌦、Cライナー300-350㌦、Kライナー(B)350-420㌦、Kライナー(A)420-480㌦前後であった。10月中旬時点での中芯価格は300-370㌦、Cライナー330-380㌦、Kライナー(B)370-440㌦、Kライナー(A)450-520㌦前後まで値上がりし特に下値を押し上げた形となった。
中国国内の原紙価格は再稼働を開始した7月頃は値上げにより中芯3500-3800RMB (500-550㌦)*VAT込み工場到着、Kライナー4900-5200RMB(720-760㌦)付近まで上昇していたが、8月月以降弱含み、国慶節前の在庫セールもあり中芯3400-3600RMB、Kライナー4800-4900RMBとなっている。しかし中国国内の値下げ期間中も中国からの原紙引き合いは強く、中国向け輸出価格に引っ張られアジア価格は$10-20㌦ほど値上がりしている。