■ 中国造紙協会「第14次五カ年計画」に基づき中長期的な開発プログラムを発表
2022年2月11日
2021年3月に中国共産党によって採択された「第14次五カ年計画」に基づき、中国造紙協会は紙パルプにおける「五カ年計画と中長期的な開発プログラム」を発表した。
中国政府の発表した「第14次五カ年計画」では「経済発展」「イノベーション主導」「幸福な国民生活」「グリーンエコロジー」「安全・安心」をベースに、デジタル経済の発展、国境を越えた電子商取引、免税措置の拡大、高度な製造(宇宙開発・集積回路・船舶・海洋開発・新薬)新エネルギーの促進(CO2排出削減と60年のカーボンニュートラル)、農村部の開発と生活水準の向上、人材・資源の開発と技術の発展、近隣諸国との貿易拡大と国際協力が大綱となっている。
中国造紙協会の発表した「五カ年計画と中長期的な開発プログラム」では、国家の目指す先進国レベルのGDP達成に伴い紙の消費量も増加していくことが予想され、環境配慮と資源確保の両面から今後の開発を進めていくことを明記している。
具体的には古紙輸入禁止に伴う原料問題対策として、①東海岸に林業・パルプ・製紙の統合企業を展開 ②自家植林を加速し炭素吸収源の確保とバイオマスの促進 ③国内古紙の回収強化と海外古紙の利用(再生パルプ)④竹パルプの開発、森林道路開発補助、バガス・藁等の非木材パルプの研究(農村部の開発も兼ねる) ⑤海外林業の開発発展への国際協力が盛り込まれた。
また、環境問題対策として中小企業が多い事も問題に挙げている。中小企業の大手企業との分業・専門分野を明確化し、大企業との統合合併を促し業界の再編を図り、環境基準を満たせない企業は排除していく。
人材・技術の開発発展も需要項目としとしており、国民生活の向上によって原紙の品質向上と、高付加価値な特殊紙産業の発展を促す。
さらに継続的な技術革新と持続可能な生産を促進する必要があり、無秩序な増産と過剰競争を防止する事で国際競争力のある企業を育成するとしている。 具体的な数字目標としては、昨今の過剰な生産設備投資を抑制し2035年の原紙生産量は1億7000万㌧以内に抑える(一人当たりの紙消費量が120kg/年になると予測)事を念頭に原紙生産能力の年間成長率を2.5%に安定させる。使用エネルギーの35%以上をバイオマスエネルギーに転換し、熱エネルギー効率90%はと超先進国レベルを目指す。廃棄物の再利用によって完全ゼロ廃棄を目指す人材・技術の開発発展も需要項目としとしており、国民生活の向上によって原紙の品質向上と、高付加価値な特殊紙産業の発展を促すとしている。