中国 段ボール需要低迷 8月末大手製紙期間限定で原紙値引

  ■ 中国 段ボール需要低迷 大手製紙期間限定で原紙値引

2021年9月4日

8月末に東莞玖龍紙業を始め聯盛紙業、理文紙業など大手製紙企業は期間限定の段原紙値引きセールを実施した。

新型肺炎からいち早く回復した中国の7月小売業売上高は3兆4925億元で、前年同月比8.5%増、2019年7月比7.2%増で2年平均成長率は3.6%増となった。 このうち、自動車以外の消費財の小売売上高は3兆1578億元で、9.7%増加している。 物価上昇を除いた消費財の小売業売上高も6.4%上昇となった 6月の通販セール需要によって価格が上昇した中国の段原紙価格は高止まりし、8月の価格は前年度比2.08%高い水準で推移した。

しかし、ベトナムや東南アジアで厳格な都市封鎖が実施され、物流に影響が出始めたことやコンテナ不足が再び深刻化している事、また中国国内に於いても7月と8月に、雲南省、江蘇省、河南省、湖南省、湖北省、上海市、北京で新型肺炎感染者が発見され都市封鎖が実施された事で旅行や交通に影響がでており、消費や観光消費が落ち込んだ事で内需の景況感が悪化した。

これを受け、大手製紙企業はピークシーズンを前に在庫量を一旦消化すべく期間限定のセールを実施した。1トンあたり50~100RMB($5-15)の値引きアナウンスが各ユーザーへと送られている。

一方中国国内の古紙原料タイト感は深刻で古紙価格の大幅な下落は発生しないと予想されることや、秋需への期待感から9月以降再度価格を修正している。

しかし現時点では原紙需要がさほど強くないことから、この価格が維持できるか不透明だと地元メディアは報じている。

最新情報をチェックしよう!