■ 21年中国GDP成長率8.1% 個人消費が成長に寄与 宅配事業は前年度比30%増
2022年1月20日
中国国家統計局が17日発表した2021年の名目国内総生産(GDP)は114兆3670億元(約2千兆円)に上った。前年から13兆元増加し、物価変動の影響を除く実質で前年比8.1%増となった。 20年は新型肺炎の流行により経済成長が大幅に鈍化した事を受け、前年度対比で大きく反発した形となったが、中国政府の目標である「6%以上」を上回り11年(9.6%増)以来の伸びとなった。
一方で10~12月の成長率は前年同期比4.0%増と3四半期連続で鈍化。欧米諸国との摩擦や民間企業への締め付け、半導体不足や電力の使用制限、不動産市況の悪化が足を引っ張った。
20年のGDP成長率は2.3%と低成長だったが、中国造紙協会の統計によると段ボール原紙消費量は5613万㌧と前年度比836万㌧(約18%)増加した。巣ごもり需要と脱プラニーズが包装需要の拡大を後押しした。
昨年の造紙協会統計は未発表だが、中国国家統計局の発表によると、21年は輸出及び設備投資など企業活動の成長率は鈍化したが、個人消費が大幅に成長GDPの押し上げに大きく寄与している。個人所得も12年比で1.9倍となっており、力強い国内需要が包装需要をさらに拡大させていると予想できる。
郵便協会の統計によると21年の中国の宅配事業規模は1兆4,400億元、配達件数は1085億件で前年同期比30%増加した。20万人以上の宅配人の雇用は年間11兆元規模に成長した通販ビジネスに支えられている。インフラ整備と輸送網の拡張も進み農村部への配達が可能となった。今後さらなるビジネスの拡大が期待されており、個人消費の拡大とネットビジネスの成長は包装需要の拡大にも大きく影響すると思われる。